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農業技術発達史

 作成:2000年 浅川勝・西尾敏彦
 改正:2013年 西尾敏彦


*「泰西農学の導入と老農技術の展開」

*「科学手法と増産・増殖技術の発達」

*「食糧難克服と機械化技術の展開」

*「バイテクと選択的拡大技術の推進」

*「環境調和型技術の重視」

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  (農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波事務所のサイト「Agriknowledge」内)

年次
(西 暦)

技術的重要事項 関連重要事項
明治 4
(1871)

西












・開拓使が七重開墾場を設立(現・亀田郡七飯町),北海道農業研究始まる。  
明治 5
(1872)
・大蔵省勧農課が内藤新宿試験場(現・新宿御苑)を開設。(〜明治12年)
・開拓使が仮学校を芝増上寺に開設,札幌農学校の前身。
・官営富岡製糸場の開設,近代製糸業が発足。
 
明治 6
(1873)

・地租改正条例,
 金納制採用。
明治 7
(1874)
・内務省勧業寮内藤新宿出張所に農学掛を設置,農業技術行政はじまる。
・農事修学場設立を太政官に上請,農学教育始まる。
 
明治 9
(1876)
・札幌農学校設立(北海道大学農学部の前身)。
・パスツール(フランス)が発酵が微生物によることを発見。
 
明治10
(1877)
・三田育種場(東京三田四国町)の設立,海外農作物の導入。(〜明治19年)
・東京上野で第1回内国勧業博覧会開催,各種の農具・肥料などを展示。
・モースが東京大学ではじめて進化論を紹介。
・丸尾重次郎(兵庫県御津町)が水稲「神力」を発見。
・東京大学発足。
・西南戦争勃発(1〜9月)
明治11
(1878)
・駒場農学校設立,東京大学農学部の前身。
・内務省勧農局が老農を農事通信員に任命,老農依存の新技術推進。(明治17年)
 
明治12
(1879)
・三田育種場内に農具製作所創立,洋式農具製作の端緒。
・福岡県勧業試験場設立,府県農業試験場の最初。
 
明治13
(1880)
・播州葡萄園(兵庫県印南新村,現・稲美町)に設立。(〜明治29年)  
明治14
(1881)
・内務省勧農局が全国各地で農談会開催,農業改良の強化。
・第1回全国農談会(東京浅草),内国勧業博覧会に併せて開催。
・農商務省設置,大日本農会設立。
・第2回内国勧業博覧会(東京上野)
明治15
(1882)
横井時敬(福岡県勧業試験場)が稲・麦種子の塩水選法を確立。
 
明治16
(1883)
・駒場農学校の第一回学位授与式,農学士の誕生。
・林遠里(福岡県)が勧農社設立,馬耕教師を全国に派遣。
・ド・カンドル(スイス)「栽培植物の起源」。
 
明治17
(1884)
・農務局蚕病試験場設立(現・帝国ホテル),蚕業試験場の前身。
・福島才治(岐阜県)がカキ「富有」を発見。
 
明治18
(1885)
・農商務省が農事巡回教師を設置。  
明治20
(1887)
・酒匂常明「改良日本米作法」。
・高峰譲吉らが過リン酸肥料の製造開始,東京人造肥料会社創設。
 
明治21
(1888)
・横井時敬「稲作改良法」,圃場試験の提唱。  
明治23
(1890)
・帝国大学に農科大学併設(駒場農学校の後身,東京農林学校編入)  
明治24
(1891)
・フェスカ(ドイツ)「日本地産論(通編)」
・玉利喜造(農科大学)が大麦「改良ゴールデンメロン」を育成,人工交配育種第1号。
・田中正造「鉱毒問題」議会へ提出。
年次
(西 暦)

技術的重要事項 関連重要事項
明治25
(1892)














・中井太一郎(鳥取県)が回転式水田除草機「太一車」を発明,正条植の普及。 ・大日本蚕糸会設立。
明治26
(1893)
農商務省農事試験場(東京西ヶ原)創立。
 初代場長「澤野 淳」
・阿部亀治(山形県)が水稲「亀ノ尾」を育成。
・「農事試験場官制」
明治27
(1894)
・益田素平(福岡県)「稲虫実験録」。 ・「府県農事試験場規程」
・日清戦争勃発
明治31
(1898)
河野平五郎(宮崎県)が我が国の田植機特許1号を取得。
・新渡戸稲造「農業本論」。
・山田いち(埼玉県)がカンショ「紅赤」発見。
・高柳謙三がチャ粗揉機を発明,製茶作業の機械化はじまる。
 
明治32
(1899)

・「府県農事試験場国庫補助法」。
明治33
(1900)
・ド・フリーズ(オランダ)らがメンデルの遺伝法則を再発見。  
明治34
(1901)
・松山原造(長野県)が双用犁の特許取得,畜力耕東日本に普及。  
明治35
(1902)
  ・北日本大冷害。
明治37
(1904)
加藤茂苞(農事試験場畿内支場)が水稲の人工交配を開始。
松戸覚之助(千葉県)がナシ「二十世紀」を育成。
・日露戦争勃発。
明治38
(1905)
末武安次郎(北海道)が水田籾蒔器(たこ足)を発明。  
明治39
(1906)
外山亀太郎(東京帝国大学)が蚕における雑種強勢効果を確認。 ・「産業試験費講習費国庫補助法」。
明治41
(1908)
・山本新次郎(京都府)が水稲「旭」を育成。
杉山彦三郎(静岡県)が「藪北」を発見。
・シュル(アメリカ)がトウモロコシの1代雑種利用を提唱。
 
明治43
(1910)
・鈴木梅太郎(東京帝国大学)がオリザニン(ビタミンB1)を発見。
・大工原銀太郎(農事試)が鉱質酸性土壌を発見。
福永章一(山口県)が国産第1号の足踏み脱穀機を発明。
 
明治44
(1911)
・素木得一(台湾総督府農試)がイセリアテントウムシの天敵ベタリアテントウムシを内地に導入,天敵利用技術第1号。  
大正 3
(1914)
・農商務省蚕業試験場設立(原蚕種製造所を改組),蚕糸試験場の前身。
大原奨農会農業研究所設立(岡山県倉敷市),大原農業研究所(昭和4〜26)の前身。
・第1次世界大戦勃発
大正 4
(1915)
・外山亀太郎(原蚕種製造所)が蚕ハイブリット品種第1号「日1号×支4号」育成。(世界初のハイブリット実用品種)。  
大正 5
(1916)
・農商務省,畜産試験場設立。  
大正 7
(1918)
  ・米騒動
大正 8
(1919)
・クルチモウスキー「農学原論」,農学の理論化。 ・「主要食糧農産物改良増殖奨励規則」
大正 9
(1920)
・ガーナー,アラード(アメリカ)が日長効果を発見。  
大正10
(1921)
・農商務省獣疫調査所設立,家畜衛生試験場の前身。
・寺尾博(農事試験場陸羽支場),水稲「陸羽132号」育成,人工交配育種品種の実用化。
・農商務省園芸試験場(静岡県興津町)が独立。
 
大正13
(1924)
・増井博ら(畜産試験場)が、初生びなの雌雄鑑別技術を開発。
・柿崎洋一(埼玉県農試)がナス埼玉1・2号を育成,世界の野菜F1品種実用化第1号。
 
大正14
(1925)
  ・農林省独立。
大正15
(1926)
・小麦の指定試験地開設,農林省指定試験事業はじまる。
黒沢英一(台湾総督府農試)がイネばか苗病菌の分泌物質の徒長効果を発見,のちのジベレリン研究につながる。
 
昭和 2
(1927)
・マーラー(アメリカ)がショウジョウバエについてX線突然変異を誘起。
・西崎浩一(岡山県)が国産耕うん機1号を発明。
・川上善兵衞(岩の原葡萄園)が国産ブドウ品種「マスカットベリーA」を育成。
 
昭和 3
(1928)
・ルイセンコ(ソ連)が発育段階説を提唱。
佐藤栄助(山形県)がサクランボ「佐藤錦」を育成。
 
昭和 4
(1929)
小島学ら(愛知県)が愛知県に初生雛の雌雄鑑別協会を設立。 ・世界恐慌(1929〜1933)
昭和 5
(1930)
・木原均(京都帝国大学)がゲノム説を提唱。
・このころ坂田武雄(坂田商会)がペチュニア「オール・ダブル」の種子を海外で発売。
 
昭和 6
(1931)
・並川成資(新潟県農事試験場長岡試験地)が「水稲農林1号」育成
立石恆四郎(奈良県)がスイカの接ぎ木実験結果を発表。
・北日本冷害,満州事変勃発,宮沢賢治「雨ニモマケズ」。
昭和 7
(1932)
藤井康弘(岡山県)が国産第1号の耕うん機を完成。 ・北海道冷害
昭和 9
(1934)
・農林省米穀利用研究所設立,食糧研究所の前身。
松永高元(沖縄農試)がサツマイモ「沖縄100号」を育成。
・北日本冷害
昭和10
(1935)
稲塚権次郎(岩手県農事試験場岩手試験地)が「小麦農林10号」育成,「緑の革命」の端緒。
・東北6県に凶作防止指定試験地を設置。農事試験場に冷害実験室竣工,冷害研究はじまる。
・北日本冷害
昭和11
(1936)
・広瀬与吉(石川県)がクランク式耕うん機を発明,国産農業機械生産の本格化。  
昭和12
(1937)
  ・日中戦争勃発。
昭和13
(1938)
・田島弥太郎(蚕糸試験場)が蚕の幼虫斑紋遺伝子のW染色体転座に成功,限性品種育成始まる。
・ニップリング(アメリカ)が不妊虫放飼法を提唱。
・藪田貞治郎・住木諭介(東京帝国大学)がジベレリンの単離に成功。
 
昭和14
(1939)
・ミューラー(スイス)がDDTの殺虫効果を発見。  
昭和15
(1940)
・ハワード『農業聖典』,有機農業の提唱。  
昭和16
(1941)
・塩入松三郎(東京帝国大学)が水田の脱窒現象を解明。
・栗林数衛(長野農試)が稲イモチ病の発生予察法を考案。
・北日本冷害,太平洋戦争勃発
昭和17
(1942)
荻原豊次(長野県)が油紙保温折衷苗代を考案,岡村勝政(長野県農試)が普及,寒冷地稲作の安定化。
・全国干ばつ,「食糧管理法」。
年次
(西 暦)

技術的重要事項 関連重要事項
昭和19
(1944)













・田島彌太郎(蚕糸試験場)が蚕の斑紋限性品種を作出。放射線突然変異の嚆矢。
・ ハムナー,タッキーが2,4-D(2,4PA)の除草効果を発見。
・小松一太郎ら(佐賀県農試)が小麦「農林61号」を育成。
 
昭和20
(1945)
・農事試験場三本木原営農支場(現・青森県十和田市)の設立,経営研究・作業技術研究の強化。
大井上康(静岡県)がブドウ「巨峰」を育成。
・太平洋戦争終結
昭和21
(1946)
・農林省開拓研究所(東京目黒),農業綜合研究所の設立。 ・農地改革。
昭和22
(1947)
・指定試験地を廃止,農事改良実験所を新設。
・農林省食糧研究所設立,食品総合研究所の前身。
・DDTをはじめて農薬として使用。
・「種苗法」
昭和23
(1948)
・農林省に農業改良局設置,農業研究・普及事業の一元化,農業改良普及事業はじまる。
岩槻信治ら(愛知県農試)が水稲品種「金南風」を育成。
・「農業改良助長法」
昭和24
(1949)
田中稔(青森県農事試験場藤坂試験地)が「藤坂5号」を育成,戦後の冷害克服に大きな力となる。
・朝日新聞,「米作日本一表彰事業」発足(〜昭43),水稲多収穫の科学的研究本格化。
・ポルジ(イギリス)牛精液の凍結保存技術を開発
・米価審議会設置。
・「土地改良法」。
昭和25
(1950)
・農林省研究機関の再編,農業技術研究所・地域農業試験の設立。
水田除草剤2,4-Dの普及はじまる。
・朝鮮戦争勃発。
・「国土総合開発法」
昭和26
(1951)
・農業改良実験所廃止,地域農業試験場に編入。
・三菱モンサントが農業用ビニールを発売。
・土肥敏夫(富山県)が間断灌漑で「米作日本一」。
・サンフランシスコ講和条約。
・国連食糧農業機構(FAO)に加盟。
昭和27
(1952)
・大槻只之助(福島県)がリンゴ「王林」を育成。 ・「農地法」。「主要農産物種子法」
・食糧増産5カ年計画
昭和28
(1953)
・ワトソン(アメリカ)・クリック(イギリス),DNAの二重らせん構造を解明,分子生物学の幕開け。
・住友化学,パラチオン製造技術を導入,農薬防除技術が普及。
・食糧増産5カ年計画
・「農業機械化促進法」
・東北・中部日本冷害
昭和29
(1954)
  ・「水稲健苗育成施設普及促進法」
 (〜昭35)。
昭和30
(1955)
愛知用水公団が発足(37年通水)。
松田順次(長野農試)が水稲室内育苗を公表,田植機械開発の原点。
宮本健太郎(長崎農試)が暖地2期作用ジャガイモ品種を育成。
・ガット加盟,「愛知用水公団法」
昭和31
(1956)
・農林省に農林水産技術会議を設置。
石墨慶一郎ら(福井農試)が「コシヒカリ」育成。
・渡邊鐵四郎(農機研)が通風乾燥器を開発,稲籾人工乾燥の嚆矢。
 
昭和32
(1957)
・国営八郎潟干拓事業開始。
・西川義正(京都大学)が凍結精液で現地人工受精実験に成功。
 
昭和33
(1958)
・日清食品が即席麺の商品化に成功。
・米原弘(東大応微研)が「ブラストサイジンS」を開発,抗生物質農薬の端緒。
・スチュワート(アメリカ)が単一細胞から植物体(ニンジン)を再生に成功、組織培養の嚆矢。
 
昭和34
(1959)
岸光夫(山梨農試)がジベレリンで種なしデラウェア作出。
・ブテナント(ドイツ)が蚕蛾の性フェロモンを単離。
西貞夫(農業技術研究所)が胚培養によってハクラン作出。
増田昭芳(日本甜菜糖)がテンサイのペーパーポット移植栽培を考案。
・梶浦実ら(農技研)がナシ「幸水」を育成。
 
年次
(西 暦)

技術的重要事項 関連重要事項
昭和35
(1960)














・モレル(フランス)が茎頂培養によるラン大量増殖技術を開発。
・津村信蔵ら(食糧研究所)が異性化糖製造技術を開発。
・農林省放射線育種場設立,突然変異育種の強化。
・並木正吉「農村は変わる」。
昭和36
(1961)
・農林省研究機関の再編,農事・畜産・園芸など専門別研究機関の設立。
・農林省「農林水産業に関する今後のおもな研究目標」策定。
・「農業基本法」。
・「研究学園都市の建設について」閣議了解。
・琵琶湖・有明海におけるPCP流入による魚貝類大量死
昭和37
(1962)
定盛昌助ら(園芸試験場盛岡支場)がりんご「ふじ」育成。
農事試験場,自脱式コンバインを開発。
・農業機械化研究所設立,農業機械化研究の強化。
・与良清、土崎常男(東大農)がジャガイモ茎頂培養に成功。
・IRRI(国際稲研究所)設立(フイリピン)。
・カーソン「沈黙の春」,農薬への警告。
昭和38
(1963)
・農林省が首都圏整備委員会に農業技術研究所他10機関の筑波地区移転を回答。
・「圃場整備事業」が創設。区画整理・用排水農道などの一元的整備。
・香村敏郎ら(愛知県農試)が水稲「日本晴」を育成。
「研究・学園都市の建設」閣議了解。 ガット11条国に移行
 (貿易自由化)。
昭和39
(1964)
・マヘシュワリら(インド)がチョウセンアサガオの葯培養に成功。
杉江佶ら(畜産試験場)が新鮮受精卵移植に成功。
・農林省,植物ウイルス研究所設立。
・日本が国際通貨基金(IMF)8条国に,貿易自由化始まる。
・ハリソン「アニマル・マシーン」,動物福祉の喚起。
昭和40
(1965)
関口正夫(東京都)の人力1条稚苗田植機が市販(カンリウ工業)。
三浦次郎(東京都)がシンビジウムのメリクロン苗を発売。
和歌山県上南部農協がウメの「南高」を育成。
 
昭和41
(1966)
濱屋悦次ら(農事試験場)がウイルスフリー作物を作出。
宮内義正(愛媛県)が「宮内イヨカン」を育成。
・青森県農試が水稲「レイメイ」を育成,ガンマ線照射による育種。
 
昭和42
(1967)
・土居養二(東大農)らが植物寄生性マイコプラズマ様微生物を発見。
・井関農機が2条刈り歩行型コンバインを発売。
 
昭和43
(1968)
・木村資生(国立遺伝研究所)が「分子進化の中立説」を提唱。
・建部到ら(植物ウィルス研究所)が植物プロトプラストの大量調整法を開発。
・新関宏夫(農業技術研究所)が稲の葯培養に成功。
松島省三(農業技術研究所)がV字型多収稲作理論を提唱。
・農林大臣「総合農政の展開について」指示
昭和44
(1969)
・日本応用昆虫学会がシンポジウム「害虫防除への新しいアプローチ」を開催,総合防除はじまる。
・岐阜県高冷地で野菜の雨よけ栽培がはじまる。
・熊谷哲夫・清水悠紀臣(家衞試)が豚生ワクチン全面接種開始,平成4年以後発病ゼロ。
・自主流通米制度発足
昭和45
(1970)
・ボーローグ(CIMMYT)が半矮性小麦品種でノーベル平和賞を受賞。
・農林省草地試験場・熱帯農業研究センター設立。
 
昭和46
(1971)
・CGIAR(国際農業研究協議グループ)が発足。
・高野信雄ら(草地試)が通年サイレージを開発。
・一楽照雄らが「日本有機農学研究会」を結成。
・「稲作転換対策実施基準」決定。
・「農薬取締法」改正,DDT・BHC・パラチオン等使用禁止。
昭和47
(1972)
  ・スットクホルム国連人間環境会議「人間環境宣言」地球の環境悪化を警告。
・日中国交正常化。
・リンゴ・ミカン暴落,山川市場。
昭和48
(1973)
・伊藤博(農技研)が種子長期保存法の提唱とジーンバンク構想を提唱。
・技術会議「農業に関する試験研究の推進について」を策定。
・農林省果樹試験場・野菜試験場の分離。
・桜井善雄(信大繊)が化学肥料による地下水の硝酸態チッソ汚染を指摘。
・第1次石油ショック。
・「動物愛護法」
昭和49
(1974)
・ローランド(アメリカ)がフロンガスによるオゾン層破壊説を提唱。
・シェル(ベルギー)らがアグロバクテリウムのTiプラスミドを発見,遺伝子組換え研究の進展。
・有吉佐和子の「複合汚染」。
昭和50
(1975)
・久米島におけるウリミバエ根絶(不妊虫放飼法)事業開始。  
昭和53
(1978)
・農林水産省「グリーンエナジー計画」研究開始。
・メルヒャース(ドイツ)が細胞融合によりポマト(ポテト×トマト)作出。
・篠原正昭・宇根豊が虫見板考案,減農薬栽培がさかんになる。
・農林水産省発足。
・種苗法。
・「水田農業再編対策(〜55)」開始。
昭和54
(1979)
・杉江佶ら(畜産試験場)が凍結受精卵移植に成功。
・農林水産省「転換畑作」研究開始(〜63)。
 
年次
(西 暦)

技術的重要事項 関連重要事項
昭和55
(1980)


調






農林水産省研究機関筑波移転完了。
・西野操ら(静岡県柑橘試)がヤノネカイガラムシの天敵ヤノネツヤコバチらを導入。
・刀根淑民(奈良県)がカキ「刀根早生」を発見。
・米国政府「西暦2000年の地球」報告。地球温暖化,種の消滅を警告。
昭和56
(1981)
・農林水産省「超多収稲」「バイオマス変換計画」研究開始。
・農林水産省農業研究センター設立。
・「水田利用再編対策 第2期(〜58)」
昭和57
(1982)
・農林水産省が牛の人工妊娠技術実用化補助事業開始。 ・アメリカ政府が「遺伝子工学の現状と未来」報告を発表。
・日本政府「植物の新品種の保護に関する国際条約」(UPOV)に加盟。
昭和58
(1983)
・農林水産省「農林水産研究基本目標」策定。
・農林水産省,農業技術研究所・植物ウイルス研究所を廃止,農業生物資源研究所・農業環境技術研究所設立。
 
昭和59
(1984)
北海道立農試が「ゆきひかり」を育成、水稲成分育種の端緒。
・秋田県農試が水稲「あきたこまち」を育成,地方ブランド品種の先駆。
・栃木県農試がイチゴ「女峰」を育成。
 
昭和60
(1985)
農林水産ジーンバンク事業の開始。
・花田章ら(畜産試験場)による牛の「体外受精」1号が誕生。
 
昭和61
(1986)
・農林水産省,野菜試験場,茶業試験場を廃止,野菜・茶業試験場設立。
・特定法人「生物系特定産業技術研究開発機構STAFF」発足,民間バイテク研究の支援。
・花田章(畜試)による牛の体外受精1号の誕生。
・山影征男ら(農機研)がロータリ式田植機を開発。
・「科学技術対策大綱」閣議決定,「研究交流促進法」。
・ウルグアイ・ラウンドのスタート。
昭和62
(1987)
・中国農試が水稲「ホシユタカ」を育成,ホールクロップ・サイレージ用品種の第1号。
・シータス社(アメリカ)遺伝子自動増幅(PCR法)装置を発売,バイオ研究の進歩に拍車。
 
昭和63
(1988)
・OECD「組換え体の産業利用に関する安全性の問題」。
・農林水産省,農業土木試験場,蚕糸試験場を廃止,農業工学研究所,蚕糸・昆虫農業技術研究所設立。
・北海道上川農試が「きらら397」を育成。
・牛肉・オレンジの日米交渉。
平成 1
(1989)
・農林水産省「農林水産分野等における組換え体の利用のための指針」制定。
・農業環境技術研究所、組換えトマトの非閉鎖系実験に着手。
・ 農林水産省が「有機農業対策室」を設置。
・全米研究協議会が「Alternative Agriculture」を発表。
平成 2
(1990)
・角田幸夫ら(畜産試験場)が16分裂期細胞の核移植技術によるクローン牛の誕生に成功。
・東レが遺伝子組換えによるネコ・インターフェロンを生産。
・放射線育種場がナシ「ゴールド二十世紀」を育成。
 
平成 3
(1991)
・米国FDAが組換えウシ成長ホルモン(bST)の販売を認可。
・農林水産省「イネ・ゲノム解析研究プロジェクト」開始。
・宮城県古川農試が水稲「ひとめぼれ」を育成。
・熊本県の「デコポン(不知火)」が東京市場の初出荷。
・牛肉・オレンジの輸入自由化。
平成 4
(1992)
・八重山群島のウリミバエ根絶。
E.J.ポルジ(イギリス)が凍結精液研究で日本国際賞受賞。
・九馬剛ら訳「代替農業−永続可能な農業を求めてー」
・農林水産省「有機農業対策室」を「環境保全型農業対策室」に改組。
・「科学技術政策大綱」閣議決定。
・農林水産省「新政策」
・リオデジャネイロで環境と開発に関する国連会議(地球サミット)開催。アジェンダ21合意。
平成 5
(1993)
・八重山群島からウリミバエ根絶,日本全土から根絶が完了。
・農林水産省,国際農林水産業研究センターを設立
・農林水産省「昆虫利用産業技術開発事業」発足。
・九州農試が小麦「チクゴイズミ」(低アミロース小麦品種)を育成。
・「農業試験研究1世紀記念式典」開催。
・水稲最終作況指数74の凶作
・生物多様性条約「生物の多様性の保全・持続可能な利用と利益の配分」
平成 6
(1994)
・米国FDAが組換えトマトの販売を認可。
・米国カルジーン社組換えトマト(フレーバー・セーバー)の販売開始。
・宮城県古川農試水稲ササニシキBL(ささろまん)を育成。初のマルチライン品種
 
平成 7
(1995)
E.F.ニップリング(アメリカ)が不妊虫放飼法で日本国際賞受賞。
・世界貿易機構(WTO)発足。
平成 8
(1996)
  ・シーア・コルボーン他「奪われし未来」
平成 9
(1997)
・ウィルマット(イギリス・ロスリン研究所)がクローン羊(ドリー)の作出に成功。
・農林水産省農業生物資源研究所がC4光合成酵素を高発現するイネを作出。
・イネゲノム計画第1期終了。国際コンソーシアム結成。
・地球温暖化防止京都会議
平成10
(1998)
・角田幸夫ら(近畿大学)が牛のクローンの作出に成功。
・第2期イネ・ゲノム研究プロジェクト開始。
・「蚕糸業法」「製糸業法」廃止
・環境庁「環境ホルモン戦略計画SPEED98」発表。
・「食料・農業・農村基本問題調査会答申」公表。
平成12
(2000)
・シロイヌナズナの全ゲノム解読が終了,植物初の解読成功。
・新潟県農試が「コシヒカリ新潟BL1〜3号」を育成。愛知県農試が「あいちのかおりBL」を育成。
 
平成13
(2001)
・独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構が発足。 ・千葉県でウシ海綿状脳症BSEが発生。
平成15
(2003)
・野菜茶業試験場がチャ「べにふうき」の抗アレルギー効果を確認,機能性農作物研究がさかん。  
平成16
(2004)
・イネゲノム配列解読国際コンソーシアム(IRGSP)がイネゲノム配列完全解読に成功。  
平成17
(2005)
  ・「北海道遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等の防止条例」
・茨城県・埼玉県で鳥インフルエンザ発生。
平成22
(2010)
  ・宮崎県で口蹄疫が発生。

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