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木彫彩色のバッタとアリ

(ザイール)


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 元熱帯農業研究センターの日高輝展氏が、1989年1月にアフリカに出張した際、ザイールのキンシャサ空港の売店で採集し、 ぼくにくださった(というよりも取り上げた)ものである。ともに軟木の一本彫りで、バッタの方は体長17cm、前・中脚が異常に短いことを除けば、 申し分なくバッタらしいバッタである。一方のアリは体長16cm、頭・胸・腹部からそれぞれ脚が生じ、実物を見て模したものではないようである。 もっとも、作者にとってアリはよぼど身近な虫だったらしく、形態的には実物とかけ離れているものの一見してそれとわかるところが嬉しい。

 西アフリカのこの国は、国土の大半が熱帯雨林で覆われ、かのワタリバッタの多発地帯ではない。日高氏によれば、売店にあった虫はこの2種2点だけであったという。 これらの虫がどのような意図で創られたのかは不明だが、ザイールはアフリカきっての昆虫食の盛んな国である。あるいはこれらの虫もそうしたことに由来しているのかもしれない。


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