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みかんとその仲間たち



 私達が一般に呼んでいる「みかん」とは、実は柑橘(かんきつ)類の総称である。みかんと言えばかんきつ一般を表すほど日本人にはなじみの深い言葉だからである。

 かんきつの原産地は、インド東部から中国の揚子江の流域とされている。わが国への渡来については諸説があるが、中国またはインドから中国を経由したものと考えられている。

 わが国には橘と柚の野生があるが、アジア西部やヨーロッパ、アフリカ、アメリカ大陸には原生種は存在しない。

 現在の栽培種は、渡来品種と国内において種子から自然に発生した「偶発実生」や木の枝の一部が突然変異する「枝変わり」によりできた品種がほとんどだが、最近では人工交配により育成品種も栽培されるようになってきた。

 「百果是眞味」という言葉がある。十人十色といわれるように、果物にもそれぞれ固有の持ち味がある眞味を持っている。果物により美味しいとかまずいとか決めつけたら、その果物に失礼にあたると思う。食べ頃を逸したり、食べる側の我々人間の体調にも原因があるのではないだろうか。この言葉は果実のみならず我々人類をはじめ一木一草、万物万象にわたり、持ち味を引き出して眞味・眞価をたたえよと言う意味と理解したい。

 ここに登場するかんきつ類は永年生で、独自のルーツや栽培歴史、独特の個性がある。かんきつ類の大部分は、地上部と地下部が異なった植物であり、接ぎ木されている。わかりやすく言えば、2階建て(場合によっては3階建て)のマンション生活で、仲良い営みが望まれる。

 温州みかんで言えば、地上部は「みかん」で、地下部は「カラタチ」である。会社で言えば「営業部」と「総務部」、家庭では「主人」と「奥さん」の関係にある。

 地下部「カラタチ」の根は、肥料や水分を一生懸命吸収し、地上部「みかん」の枝葉が十分な働きをして結実ができるように送り込む。一方、地上部は光合成によりつくられた養分を根に蓄えていくのである。

 かんきつ類の一生も、我々人間生活と同じように、山あり谷ありで、十分な結実を目指して、栽培者の支援を得ながら克服していく。

 この小さなみかんの仲間達一つ一つに興味を持ち、理解を深めてほしい。




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