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カラタチ



 日本歌謡の代表作、北原白秋と山田耕筰の「からたちの花」や島倉千代子の「からたち」日記」は有名である。本種は落葉性で、 4月に常緑樹のかんきつ類の仲間に先がけて白い花が咲き、それが美しいので歌にもなるのである。以前はあの鋭いトゲを活かして生け垣として不法者の侵入を防ぐために大いに利用された。

 中国揚子江上流の原産で、わが国に渡来したのは8世紀と見られる。万葉集にカラタチバナとしてその名があり、それを短縮してこの名ができた。キコクという呼び名もある。

 本種が日本かんきつの台木として、かんきつ産業を文字通り支えていることは知られていない。外国の台木は日本の橙であるサワーオレンジで、 トリステザウイルスの脅威にさらされる中、わが国はカラタチのおかげで一人勝ちしたことは記憶に新しい。

 諸外国がこのカラタチを見直し、その変異のヒリュウ(飛竜)に目をつけ、1977年にカリフォルニア大学のリバーサイド校で既に研究され、 1990年にはオーストラリアでも、昨年のニュージーランドでも既に5〜6年前に始めたという。わが国で今最も現在注目されている台木である。




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